ケーキとお菓子のグーテ・ド・ママン
 



 

グーテ・ド・ママン・オーナーパティシエの三富です。

長年、多くのお客様に支えられ、大好きなケーキやお菓子を作り続けてきたことに本当に感謝しています。私のケーキ・お菓子への思いは、今からお話するグーテドママンの物語に詰まっています。愛情を込めたおいしいケーキとお菓子をこれからもお客様に提供し続けたいと願っています。


グーテドママンの物語・・・

1983年まるでおままごとのように私の店はスタートしました。
今思うとかなりの無謀でした。ケーキが大好きだからという理由から、お店を始めてしまったのですから・・・

その頃、何をしたらいいのか模索していました。
何か自分の好きなことを仕事にしたいと思っていました。だからと言ってケーキ屋 さんを始めたいと、はっきり決めていたわけではありませんでした。

お菓子は好きだったけど作るより食べるほうが好きで・・・

でもある日ふとあるお店のデザートが私のハートを突刺しました。
小さなビストロ(そのうち一世を風靡する超有名店になる)のマダムの作る素人っぽい
「愛情いっぱいのお菓子・・・」なんだか無骨で親しみがありました。

まるでお菓子の本を見ていっしょうけんめいつくったような懐かしさ何度か失敗しながらもようやく誰かにあげられるレベルに達したような素材の リッチ感、市販のケーキにないものがそこにありました。


そのお店のデザートは、私が子供のころ、祖母がクリームパンが好きだった私に、よくカスタードクリームを作ってくれたことを思い出させてくれました。

その、なんとも言われぬ懐かしさ温かさを感じデザート目当てに開店と同時に席を陣取るようになっていました。


ある日私はまだ幼子を背負いケーキをお店に届けるマダムに出会い、この方が自宅でつくっているんだ・・・ということを知ることによりそのお菓子がもっといとおしく感じ感動しました。

パイのふちがきれいにそろっていなくてもキャラメルソースの濃さが違っても、すべておいしければいいんだとお菓子の概念が変わりました。

いい材料を使い、喜んでくれる人を励みに作るお菓子・・・


・・・・当時、私はお菓子は作るのはほとんど経験なかったのですがお料理のアレンジは大好きだったので基礎をしっかりマスターすれば「おいしいおやつやサン」ならできるかも・・・

これがグーテ・ド・ママンの第一歩です。

自分が作り出すもので誰かが喜んでくれるなんて・・・
これほどやりがいの有る仕事はないかも。
もうそう考えただけでその日から私のキッチンにこもる毎日が始まりました。


毎朝材料を買いに行き、お菓子の本を広げまずは本の通り次はそのアレンジの レシピでつくる・・何度も何度も納得がいくまで材料がなくなるまでつくる・・・

いまさら製菓学校へ行ったりどこかで修行したり・・・
そんなことしなくてもあれほど好きで食べ歩きを続けてきた私にはもうはっきり自分のつくりたいお菓子が見えていました。


職人さんの技術はなくても材料と手間と愛情これで極上のおやつやさんをやる!
と決めました。


・・・資金もなかったけど幸い自家所有の貸し駐車場があり、6坪の屋根付車庫を無理やり貸してもらうことにしました。両親は大反対。何故?の連発でしたが壊してビルにするまでの数年の約束ですべて自分でやることを条件に開店にこぎつけたのです。


でも決して順風満帆ではありませんでした。

どんなに材料手間愛情をかけてもそれだけでは商品価値はないのです。
大きな業務用のオーブンに慣れず家ではできてもどれほど失敗したか・・・・

技術がなく売り物が思うように作れず泣きました。
やっぱり技術経験は大切だったとお客様には売り切れと称して営業しながら猛勉強しました。

でもいつももう売り切れているというのが評判になり(?)雑誌の取材が舞い込むようになり、慌てたりしていました。試行錯誤を繰り返しながら知らない人からお金をいただくむずかしさを始めて知ったのもその頃です。


・・・・それからずいぶん経ちました。

私の理念を受け継いだスタッフたちも育ち今では特注、新作以外はほとんどみんなで作っています。小さなキッチンは丸見えなのでここでこの人が作っているというのが明確です。

ドアを開けた瞬間甘い香りが広がります。
作ってる人が売る・・・バイトでも何かしら製造に携わっています。


うちではお菓子を「子」と呼びます。
そう、うちの子なんです。
お嫁に出す感じです。
売れなくても困るし売れると淋しいような・・



2000年から始めた犬用のおやつも好評で今でこそめずらしくないですがまだ当時は???と言う感じで真剣に犬のお菓子を研究している私についていけないと自分は職人だと辞める子もいました・・・・有名店に長くいて独立のため小さな店で修行しようと思って入ったのに犬のえさ?って感じだったようです。

大好きな犬に長生きしてほしいから安心なおやつをつくりたかったのです。

添加物香料だらけのドッグフード。材料は何なんでしょう・・
肉使用と言っても飼料用の肉ってどんな肉なのを知っていますか?
病気の肉だったり動物実験の廃棄の肉安楽死の犬や猫も・・・・肉だそうです・・・??


そんなことを知り、安全な穀物 産地の明らかな新鮮な野菜をベースに開発しました。
ベビーフードをつくるように野菜を裏ごしてつくるクッキーは確実に毛並みが違ってきます。
人間以上に食べるもので変わるんです。特に小さな犬はてきめんですね。

バースデーはちょっぴりバナナと蜂蜜味でお祝いです。もちろん人間も結構おいしく食べられます。いっしょに食べて祝う・・・私はもう最愛の犬と死別してもうたぶん新たに犬を飼う事はないでしょうが  もし生きていたら、こうやってお祝いをしてあげたかったです。とっても。


もう何年もバースデーケーキをつくってるわんちゃんが数匹います。
・・・そんなわんちゃんのプレートに名前を書きながら幸せ感じたりしています。



グーテ・ド・ママンのお菓子は、添加物・香料・お酒は使っていません。
甘さもひかえめでいわゆるお酒を効かせたパンチのあるお菓子ではありません。


私のお菓子はこんなお菓子があったら・・と試行錯誤を繰り返しまずは味からつくっているので新鋭のパティシエのような完成されたフォルムもないかも しれません。

でも、うちにしかいない流行を超えたとっておきの子たちがいます。
開店当初の子たちが今もずっと愛されています。


やっぱりうちの子でないとダメとおっしゃるお客様に支えられています。

子供のころおいしそうなケーキをお酒が入っているからダメと言われ悔しい思いを何度もしました。


ショートケーキのイチゴがガリガリしていてすっぱくて嫌いでした。
どうしてイチゴなのにこんなにまずいんだろう、なんでお酒が入ってるんだろうと思っていました。痛みにくい硬いいちごがあってすっぱいけど日持ちがするからケーキ屋はそれを使うのだと知りました。


・・・私は今も素人だったころの自分を忘れずにいます。

ビチャビチャにシロップとお酒を含んでいない、ふわふわのスポンジに美味しい純度の高い生クリーム。甘くて美味しい食べごろのイチゴ。

大人のケーキ全盛でも私は、みんなで楽しめるお菓子を作っていきたいと思っています。

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